July 19, 2005

13-17 准01

准。13歳春。
准の中学校は6つの近辺の小学校から集まってくる。
准の小学校からは基本的に2つの中学、松岡市立第4中学と鐘笠中学の2つだからおおよそ
半分が同じ中学に行く事になる。

が、准は「その時」まで気づかなかった。



老齢で玲瓏なはげ上がった頭の校長が、新しい生活についての心構えを
子供には全くわからない世界の口調で話している、まさにアルファ派が
発生しまくっている「その時」准はきがついたのだ。

自分の友達がほぼ全員「4中」学区に住んでいたことを。
そして自分がとんでもない孤独の中にいることを。



教室へ入ると、周りは同じ小学校の連中でかたまっていた。
おたがいそれほど知り合い出なくても、全く知らない人間を含む
フィールドに投げ出されたとき、ほんの小さな共通点でも
【仮】付きの絆や友情が生まれるモノだ。
ところが准は違った。まわりに誰も、その共通点を見つけられる人間がいなかった。

納得と絶望。

小学校よりほんの少し高い机に、突っ伏してただ時間が過ぎるのを
待つしかなかった。眠れるわけではないが、フリをする、そうするしか
なかった。

kdfst at 12:34│Comments(0)TrackBack(0)

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